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huluに入っているおしゃれなあなたへ~「マークジェイコブス&ルイ・ヴィトン~モード界の革命児」
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最近になり、ファッション関連のドキュメンタリーがたくさん追加されました。
その中に、ルイ・ヴィトンのクリエイティブデザイナーを務めていた「マーク・ジェイコブス」のドキュメンタリーがあります。
タイトルは「マークジェイコブス&ルイ・ヴィトン~モード界の革命児」。
Somewhere (else)! #BigSur pic.twitter.com/zuUtgBRvfo
— Marc Jacobs (@themarcjacobs) September 15, 2017
マーク・ジェイコブス氏は、1998年から2014年までルイ・ヴィトンのデザイナーを担当。
2001年には、自身のブランド「マーク・ジェイコブス」を発表し、世界のファッション業界を牽引しています。
ドキュメンタリーでは、2007年に彼が手掛けたルイ・ヴィトンのコレクション作成に密着し、華々しい活躍を遂げているジェイコブス氏がどうコレクションのデザインをしているのか?発想のインスピレーションはどこからくるのか?に迫っています。
日本人が愛したモノグラム・マルチカラーコレクションや、ヴェルニコレクションがいかにして生まれたのか。そのヒントが詰め込まれていました。
壊す・汚す~ハイブランドの固定概念に縛られない発想
取材班が潜入したのは、ルイ・ヴィトンの2007年春夏コレクションの裏側。
こちらのショーです。
新しいコレクションのデザインを模索している彼にヒントを与えたのは、日本で手に入れた一冊の本でした。
様々な人形たちがたくさん並ぶ本のページを見て、ジェイコブス氏は多くの人形が頭につけている花に目をつけます。
ここから、ジェイコブス氏はコレクションに花を取り入れることを思いつくのです。それも、ただの花ではなく「しおれた花」を。
ルイ・ヴィトンという誰もが知っているハイブランドのコレクションを見て、「しおれた花がふさわしい」と思う人はいません。
しかし、彼は物怖じすることなく美しい造花の花にハサミを入れることを決め、アイロンで花を潰し「壊したことで出来上がるギリギリの美しさ」を目指します。
「しおれた花」に合わせて、彼は高価なドレスやアクセサリーを漂白するという行動に出ました。
これ以上ないほど美しいドレスやアクセサリーを、わざと漂白するという行動は、はたから見るととんでもない行動に見えます。
しかし、ジェイコブスは「美しいものを壊すことで生まれる、ギリギリのラインのクールさ」を作り上げることにこだわりました。
そうして出来上がったのが、このショーでモデルたちが頭につけている花です。
「破壊も極めればクールになる」。それ以上やりすぎても、一歩手前で立ち止まっても「汚い」と判断されてしまう、その狭間を彼は独特の感性で見抜きます。
ジェイコブスによって花びらを切られ、潰された花たちは、彼の手でまた別の美しさを吹き込まれ、ショーに彩を添えました。
彼の作業を見ていると、過去に大ヒットしたヴェルニラインやモノグラムデニムが生まれたところが浮かんできます
ハイブランドには相応しくないと思われがちなエナメルやデニムを、彼はあえて取り入れることで新しい美しさと格好良さを表現し、ルイ・ヴィトンというブランドの既成概念を壊すことに成功しました。
特にデニムは作業着として着用されていた生地で、ラグジュアリーさを目指すハイブランドとは対極にあるものです。
そのデニムをあえて取り入れたことは、ハイブランドであるルイ・ヴィトンの可能性を広げることにもつながりました。
ルイ・ヴィトン モノグラム・デニム ネオ・カビィGM M95350 ブルー レア物入荷!https://t.co/RwlUTrMiXj pic.twitter.com/qLogUESCH6
— ジョリークラブ (@jollyclub355) July 7, 2017
こちらが、ルイ・ヴィトンのモノグラムデニム。
デニムという生地ならではのカジュアルさもあり、ルイ・ヴィトンだからこその高級感も損なわない絶妙なデザインであることが解ります。
このバッグは日本の芸能人も多く所持し、女性たちの心を惹きつけました。そのヒットの裏には、マーク・ジェイコブスの物怖じしないモノづくりへの姿勢があったのです。
デザイナーへの敬意とそこから生まれるインスピレーション
ドキュメンタリーの中で、ジェイコブス氏は日本のデザイナー・草間彌生(くさまやよい)に会っています。
草間彌生美術館の開館を記念する『創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき』展(10月1日~2018年2月25日) https://t.co/Bb3PuVrR5L pic.twitter.com/U0n89rQ0Jf
— CINRA.NETアート・デザイン (@CINRANET_ART) October 22, 2017
彼女は、水玉模様をモチーフにした作品を手掛けている日本の芸術家。
忙しい合間を縫って草間氏に会ったジェイコブス氏は、彼女と話すうちに水玉からインスピレーションを得ました。
そして、コレクションにマカロンや缶バッジといった「〇」の形を取り入れます。
カラフルに切り取られた〇たちは、白い生地の上に並べると高級なキャンディストアに並ぶマカロンのようなキュートさに生まれ変わります。
こうして、またひとつアートのようなバッグが出来上がりました。
ジェイコブス氏は、常に世界のデザイナーや流行に目を向け、そこから得た発想をしっかりと作品作りに活かしています。
上記で紹介した人形の頭についている花もそうですし、大ヒットとなった日本の村上隆とのコラボレーションもそう。
お待たせしました。 Today, at a certain location in NY, I will hold a talk show and book signing with my… https://t.co/t1kBIZDlfW pic.twitter.com/asKSE81QHL
— takashi murakami (@takashipom) October 17, 2017
ドキュメンタリーの中で、どうして村上隆をコラボ相手に選んだのか?という問いに対し、ジェイコブス氏はこう答えています。
「オークションで作品を見た後に記事を読んだ。その後にあった展覧会を見て、連絡をした」。
世界にアンテナを広げ、そこで出会った面白いものは何でも取り入れる・生かすという彼のやり方が、ここでも発揮されていました。
ドキュメンタリーの中には、村上隆氏の貴重なインタビューも収録されています。
マルチカラー発売当時に作られた、コラボのアニメーションです。
映像の中では、小さな女の子が不思議なパンダに呑み込まれ、まるでアリスが穴に落ちてトランプの世界に行くように、ルイ・ヴィトンの世界に落ちていきます。
この穴に描かれている模様は、ルイ・ヴィトンを世界的なブランドへと押し上げる先駆けとなったダミエ・シリーズのもの。
そこを抜けてたどり着いた場所には、村上隆が生み出したマルチカラーのカラフルなロゴたちと、チェリー・ブロッサムのポップなモチーフたちでした。
女の子が冒険の旅に出て新しい世界を楽しむこの映像には、ジェイコブス氏が作り上げたルイ・ヴィトンのイメージが詰まっています。
「ルイ・ヴィトンは、次はどんなコレクションで私たちを楽しませてくれるのだろう」というワクワク感が、このアニメーションからも伝わってきます。
コレクション当日の開始時間までこだわりぬく姿勢
ドキュメンタリーの中に、ジェイコブス氏のこんな意味の発言がありました。
「いいバッグを作れたと思ったら、服が物足りなくなる。そして服を作り直せば、バッグが物足りなくなる。その繰り返しで、気づけばショー当日になっている」。
その言葉通り、映像の中の彼はショーの当日までコレクションを修正し続けます。
そして、そのジェイコブス氏を支える職人たちの戦いも見どころのひとつ。
こちらの動画の1分18秒に出てくるバッグは、「キュビスト・バッグ」といって、ルイ・ヴィトンのあらゆるバッグたちを縫い合わせて作ったもの。
たくさんの皮を重ねて縫うためにミシンで縫い切ることができず、職人たちが手縫いで仕上げたという力作です。
限定28個という特別なバッグは、ジェイコブス氏の発想とこだわりと、それに見事に答えた職人たちの技が結集して生み出された作品。
このバッグのアイディアが生まれるところから、実際にショーに登場するまでが見られます。
ショーが近くなると、職人たちは徹夜で作業をするハードな日々を送りますが、そこにはなぜか笑顔が絶えません。
「徹夜ばかりだから、針に糸が通せないわ」と語る職人も、笑顔でした。
ただハイになっているだけではなく、自分たちがジェイコブス氏の作品を作るのだというプライドと、誰よりも職人たちが彼の作品を楽しみにしているのだということが、表情から伝わります。
ジェイコブス氏のハイレベルな要求に答える職人たちの戦いも、このドキュメンタリーの見どころのひとつ。
みんな、幸せそうな顔をして仕事をしていることにも驚かされます。
物怖じしない姿勢はモデル選びにも反映されている
このドキュメンタリーの話ではありませんが、ジェイコブス氏の創作への姿勢が表れているエピソードとして紹介します。
今や、トップモデルとして世界の雑誌の表紙を飾っているケンダル・ジェンナー。
【Le BLOG】いまや広告にキャットウォークに引っ張りだこのスーパーモデル、ケンダル。この8つのポイントを抑えればあのオーラが出せる!(らしい!) http://t.co/XcQEQyFAmn pic.twitter.com/Yq0kddgFmT
— zerozero (@00CONCIERGE) July 9, 2015
彼女は、アメリカのドキュメンタリー番組「カーダシアン一家」で、小さなころから注目を浴びていました。
彼女がモデルとして活動を始めたとき、多くの人は「ドキュメンタリーのコネがあったから仕事が取れたんだ」と言いましたが、実はその反対でした。
カーダシアン一家の一員で、バラエティ番組に出ている過去があったからこそ、ケンダルはモデルとしての正当な評価を受けることができず、仕事をもらえないことが多かったのです。
そんなケンダルに、チャンスを与えたのがマーク・ジェイコブスでした。
彼女の父親違いの姉であり、カニエ・ウエストの妻であり、そしてタレントであるキム・カーダシアンはこう言います。
「マーク・ジェイコブスは彼女に本当にチャンスを与えてくれた」。
マーク・ジェイコブスのショーで見事なウォーキングを披露したケンダルは、その後にジバンシィ、トミー・ヒルフィガー・シャネル、エミリオ・プッチをはじめとする名だたるハイブランドのランウェイに登場。
世界をけん引するファッション雑誌「VOUGE」の表紙にも選ばれるなど、トップモデルの一員として活躍しています。
そんな彼女は、トップモデルの登竜門ともいわれるヴィクトリアズ・シークレットのショーにも出演しました。
https://www.youtube.com/watch?v=ypjiWVS0NHo&t=1s
ヴィクトリアズ・シークレットのショーは、選び抜かれたトップモデルしか出演することができない特別なものです。
ケンダルがここまで飛躍するきっかけを作ったのは、ジェイコブス氏が彼女を色眼鏡で見ることなく、熱意と素質だけを見て自身のショーに起用したからに他なりません。
面白いと思ったもの・いいと思ったものは誰が何を言っていても取り入れる。
ジェイコブス氏のブランドへのこだわりと向き合い方は、モデルの選び方にも表れているといっていいでしょう。
モノづくりが好きな女の子に見てほしいドキュメンタリーです
ファッションが好きな子はもちろん、創作が好きだという女の子にも必ず見てほしいドキュメンタリーです。
布をまるで折り紙の様に折ったり、切ったり、縫い合わせたりしながら、まるで魔法のように作品が生まれていく様子は圧巻。このドキュメンタリーは、何かを表現したい・発信したいと考えている女性にとって大きなヒントになるはずです。
そして、彼がコレクションを作る過程には、いつも笑顔とユーモアがあり、職人たちとの確かな絆があります。
「プロとは何たるか」がわかる貴重なドキュメンタリーですので、Huluで配信されている今ぜひご視聴ください!
見終わった後、あなたの心は前向きなパワーであふれているはずです。
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